孫子 現代語訳

発行者: 23.12.2022

戦の上手な者は、たとえば率然のようなものである。率然というのは、常山にいる蛇のことである。この蛇は、その頭を撃つと尾が助けに来て、尾を撃つと頭が助けに来て、その腹を撃てば頭と尾とで一緒に襲いかかる。「軍隊を率然のようにすることができるか?」とある人が聞いたが、孫子は「できる」と答えた。 「そもそも、呉の国の人と越の国の人は互いに憎み合っているが、一緒に同じ船に乗って川を渡る途中で大風に遭うと、彼らは左右の手のように協力して助け合う(呉越同舟)」。だから、馬を並べてつなぎ、車輪を土に埋めて陣固めをしてみても、決して頼りになる守りではない。軍勢を勇者も臆病者も等しく結束させて整えるのは、軍制の役割である。剛強な者も柔弱な者も充分な働きをさせるのは、地勢の道理によるものである。戦上手が、手をつないでいるかのように軍を一体にさせて動かすのは、兵士が戦うしかない状況に置くからである。.

昔、殷王朝が興った時、伊摯が間諜として夏の国に入り込んでいた。 周王朝が興った時には、呂牙が間諜として殷の国に入り込んでいた。だから、聡明な君主やすぐれた将軍だからこそ、優れた知恵を持った人物を間者とすることができ、偉大な功業を成し遂げることができるのである。間者こそ戦争の要であり、全軍が頼りにする情報源なのだ。.

超現代語訳孫子 1. 兵士は、非常に危険な状況になると、もはや危険を恐れなくなる。そして、どこにも逃げ場がなくなってしまうと、決死の覚悟を固め、 敵国内に深く入り込むと、一致団結する。 窮地に追いつめられると、必死に戦う。だから、外征する軍は、兵士が自ら進んで戒め、指示しなくても期待通りに動き、約束を交わさなくても自主的に連帯する。そして、軍令がなくても規律を守る。軍隊内での占いごとを禁止して、兵士の疑念を取り除くならば、戦死するまで決して逃げ出したりはしない。.

Twitter Share Hatena LINE Pocket. 布陣するには、高地がよく、低地は避けるべきである。 日当たりの良いところを選び、日当たりの悪い所は避ける。健康に留意して、水や草の豊かな場所に布陣し、軍隊に疾病が起こらないのを必勝の軍と呼ぶ。丘陵や堤防などでは、日当たりの良い場所に布陣し、丘陵や堤防が背後と右手となるようにする。そうすることで戦いにプラスに働き、地形の助けを受けることができる。上流が雨で、川が泡だって流れているときは、洪水の恐れがあるから、その流れの落ち着くのを待ってから渡河するべきである。. 昔、殷王朝が興った時、伊摯が間諜として夏の国に入り込んでいた。 周王朝が興った時には、呂牙が間諜として殷の国に入り込んでいた。だから、聡明な君主やすぐれた将軍だからこそ、優れた知恵を持った人物を間者とすることができ、偉大な功業を成し遂げることができるのである。間者こそ戦争の要であり、全軍が頼りにする情報源なのだ。.

孫子 全文(現代語訳)|孫子の兵法 更新日: 年1月6日. 更新日: 年1月6日.

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敵が自軍の近くにいながら平然と静まり返っているのは、彼らが占める地形の険しさを頼りにしているのである。遠くにいる敵がわざわざ攻めてくるのは、こちらが進軍することを望んでいるからである。平地に布陣しているのは、彼らの地形が有利だからである。木々がざわめくのは、敵軍が森林の中を移動して進軍しているからである。 草を覆い被せてあるのは、伏兵の存在を疑わせようとしているからで、草むらから鳥が飛び立つのは、伏兵がそこにいるからである。 獣が驚いて走り出てくるのは、潜む敵軍が奇襲攻撃をしようとしているからである。.
  • その世界最古の兵法書がいまだに、多くの著名人、ビジネスマンに愛されているのはその応用性の高さである。 私個人、孫子を学んでから少しだけ人間関係が楽になったり、好きになった女性にアプローチして失敗したのは一人だけだったり、人間的に一枚も二枚も成長出来たことを実感している。. 布陣するには、高地がよく、低地は避けるべきである。 日当たりの良いところを選び、日当たりの悪い所は避ける。健康に留意して、水や草の豊かな場所に布陣し、軍隊に疾病が起こらないのを必勝の軍と呼ぶ。丘陵や堤防などでは、日当たりの良い場所に布陣し、丘陵や堤防が背後と右手となるようにする。そうすることで戦いにプラスに働き、地形の助けを受けることができる。上流が雨で、川が泡だって流れているときは、洪水の恐れがあるから、その流れの落ち着くのを待ってから渡河するべきである。.
  • 軍は兵員が多いほどよいというものではない。猛進しないようにして、戦力を集中して敵情をよく考えて行動すれば勝てる。よく考えることもしないで敵を侮っている者は、きっと敵の捕虜にされてしまうだろう。兵士たちがまだ将軍に懐いていないのに懲罰を行なうと、彼らは心服しない。心服しないと十分に働かせることができない。反対に、兵士たちがもう懐いているのに懲罰を行なわないでいると、規律が乱れて、彼らを働かせることはできない。だから、兵を指導するにあたっては「暖かさ」 をもって行い、命令するにあたっては「厳しさ」をもって行う。これを必勝の軍という。法令が普段からちゃんと守っていれば、命令しても民は従うものだ。法令を普段から守っていなければ、命令しても民も従わない。法令を普段から誠実に守る者は、民衆と心が一つになっているのである。.

敵の使いがへりくだっていて、守備を固めているのは、進撃をしようとしている。 敵の使いの態度が強硬で、敵軍の先鋒が侵攻してくるのは、退却の準備をしている。 隊列から軽戦車が抜け出して、側面についているのは、陣立てをしている。行き詰まっていないのに和睦を求めてくるのは、なんらかの策謀である。伝令があわただしく走り回って、各部隊を整列させているのは、決戦を決意している。敵の部隊が進んだり退いたりを繰り返しているのは、こちらを誘い出そうとしている。. 将軍の仕事は、もの静かで思慮深く、公明正大で自分をよく律しなければならない。士卒の耳目をうまくくらまして、軍の目的を知らせないようにする。 内容を様々に変え、その策謀も新しくして、兵たちに気づかれないようにする。駐屯地を転々と変え、その行路を迂回し、兵たちに推測されないようにする。軍を率いて決戦する時には、高いところへ登らせてから梯子を外すように、戻りたくても戻れないようにする。 深く敵の領土に入り込んで戦う時には、羊の群れを追いやるように自在に采配する。兵たちは追いやられてあちこちと行き来するが、どこに向かっているかは誰にもわからない。全軍の大部隊を集めて、決死の体制で危険な土地に投入するのは、将軍たる者の仕事である。九通りの地勢に応じた変化、軍の分散と集中、人情の道理について、将軍は充分に考慮しなければならない。.

砂塵が高く舞い上がって、その先端が尖っているのは、戦車部隊が進撃してくるからで、砂塵が低く垂れ込めて、広がっているのは、歩兵部隊が進撃してくるからである。砂塵があちこちに散らばって細長いのは、薪を集めているからで、 砂塵の量が少なくて行ったり来たりするのは、軍営を張る作業をしている。. 兵士が杖をついて立っているのは、全軍が飢えている。 兵が水を見つけた時、真っ先に水をくんで飲むのは、その軍が飲み水に困っている。 利益がある状況で進撃してこないのは、兵が疲労している。鳥がたくさん集まっているのは、その陣はもぬけの殻である。夜に叫ぶ声がするのは、兵が臆病で怖がっている。軍営の騒がしいのは、将軍に威厳がない。旗が落ち着かないのは、軍が乱れている。役人が腹を立てているのは、軍がくたびれているからだ。 馬に兵糧米を食べさせ、兵士が軍馬を食べ、軍の鍋釜の類はみな打ち壊して、その幕舎に帰ろうとしないのは、切羽詰まった敵である。指揮官がねんごろに兵士たちを諭しているのは、みんなの心が離れている。むやみに賞を与えているのは、士気が上がらず困っている。 むやみに罰しているのは、その軍が疲れている。最初、乱暴に扱っておきながら、兵士たちの離反を恐れて下手に出るのは、考えの行き届かない極みである。わざわざ贈り物を持ってきて休戦を申し出るのは、しばらく軍を休めたいからだ。敵軍がいきり立って向かってきたのに、いつまでたっても戦端を開かず、撤退もしない時は、注意深く状況を観察すべきである。.

孫子とは、現存する世界最古の兵法書である。 紀元前5世紀ごろの中国では、未だ職業軍人というものが存在してなく農民を戦争の度に徴兵し戦闘を行っていた。 もちろん兵站や戦費の考えも現在とは大きく異なり、いわば丼勘定だった。 それが当たり前だった時代に、国家の在り方、武将の在り方、または国家の運用の在り方、武将の運用の在り方、いわば理想論とも呼べる考えを示したのが孫武である。この孫子の兵法書は孫武の作であると言われているが、その孫武の子孫である孫臏 そんびん、そんぴん の作であるとも言われている。 私個人としては孫武が提唱、孫臏が実践と考えたほうがなんかロマンがありそうなのでそう考えている。. 兵士は、非常に危険な状況になると、もはや危険を恐れなくなる。そして、どこにも逃げ場がなくなってしまうと、決死の覚悟を固め、 敵国内に深く入り込むと、一致団結する。 窮地に追いつめられると、必死に戦う。だから、外征する軍は、兵士が自ら進んで戒め、指示しなくても期待通りに動き、約束を交わさなくても自主的に連帯する。そして、軍令がなくても規律を守る。軍隊内での占いごとを禁止して、兵士の疑念を取り除くならば、戦死するまで決して逃げ出したりはしない。.

  • 諸侯の胸の内がわからないのでは、前もって同盟することはできない。 山林・険しい地形・沼沢地などの地形を知らないのでは、軍を進めることはできない。その土地の案内役を使わないと、地の利を得ることはできない。これらの三つは、その一つでも知らないことがあれば、覇王の軍にはならない。そもそも、覇王の軍が大国を討伐するなら、その大国の軍は集合することができず、もし敵国に威圧を加えるなら、その国は孤立して他国と同盟することができない。天下の国々との同盟を結ばず、また天下の権力を集めようせず、自分の思う通りに振舞っていれば、威勢は他国を覆っていく。だから、敵の城も落とせるし、敵の国も破れるのである。.
  • あなたにオススメ 孫子 用間篇(現代語訳)|孫子の兵法 孫子 火攻篇(現代語訳)|孫子の兵法 孫子 九地篇(現代語訳)|孫子の兵法 孫子 地形篇(現代語訳)|孫子の兵法. 戦の上手な者は、たとえば率然のようなものである。率然というのは、常山にいる蛇のことである。この蛇は、その頭を撃つと尾が助けに来て、尾を撃つと頭が助けに来て、その腹を撃てば頭と尾とで一緒に襲いかかる。「軍隊を率然のようにすることができるか?」とある人が聞いたが、孫子は「できる」と答えた。 「そもそも、呉の国の人と越の国の人は互いに憎み合っているが、一緒に同じ船に乗って川を渡る途中で大風に遭うと、彼らは左右の手のように協力して助け合う(呉越同舟)」。だから、馬を並べてつなぎ、車輪を土に埋めて陣固めをしてみても、決して頼りになる守りではない。軍勢を勇者も臆病者も等しく結束させて整えるのは、軍制の役割である。剛強な者も柔弱な者も充分な働きをさせるのは、地勢の道理によるものである。戦上手が、手をつないでいるかのように軍を一体にさせて動かすのは、兵士が戦うしかない状況に置くからである。.

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目次 1 孫子 全文(現代語訳) 1. よって、散地では戦闘してはならず、軽地では立ち止まってはならない。 争地では敵が先に占拠したら攻めてはならない。 交地では全軍の隊列を切り離してはならない。衢地では他国と親交を結び、重地では物資を略奪する。圮地では速やかに通過し、囲地では策謀をめぐらせ、死地では速やかに死闘する。. その世界最古の兵法書がいまだに、多くの著名人、ビジネスマンに愛されているのはその応用性の高さである。 私個人、孫子を学んでから少しだけ人間関係が楽になったり、好きになった女性にアプローチして失敗したのは一人だけだったり、人間的に一枚も二枚も成長出来たことを実感している。.

敵の使いがへりくだっていて、守備を固めているのは、進撃をしようとしている。 敵の使いの態度が強硬で、敵軍の先鋒が侵攻してくるのは、退却の準備をしている。 隊列から軽戦車が抜け出して、側面についているのは、陣立てをしている。行き詰まっていないのに和睦を求めてくるのは、なんらかの策謀である。伝令があわただしく走り回って、各部隊を整列させているのは、決戦を決意している。敵の部隊が進んだり退いたりを繰り返しているのは、こちらを誘い出そうとしている。.

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敵の使いがへりくだっていて、守備を固めているのは、進撃をしようとしている。 敵の使いの態度が強硬で、敵軍の先鋒が侵攻してくるのは、退却の準備をしている。 隊列から軽戦車が抜け出して、側面についているのは、陣立てをしている。行き詰まっていないのに和睦を求めてくるのは、なんらかの策謀である。伝令があわただしく走り回って、各部隊を整列させているのは、決戦を決意している。敵の部隊が進んだり退いたりを繰り返しているのは、こちらを誘い出そうとしている。. その世界最古の兵法書がいまだに、多くの著名人、ビジネスマンに愛されているのはその応用性の高さである。 私個人、孫子を学んでから少しだけ人間関係が楽になったり、好きになった女性にアプローチして失敗したのは一人だけだったり、人間的に一枚も二枚も成長出来たことを実感している。. 規定を越えた恩賞を施し、前例にない禁令を掲げるなら、全軍の大部隊を一人を使うような動かすことができる。兵を働かせる際は、任務を与えるだけにして、その理由を説明してはならない。 兵を働かせる際は、有利なことだけを知らせて、その害になることを告げてはならない。誰にも知られずに、軍隊を滅亡しかねない状況に投げ入れてこそ、はじめて生き延びることができる。そもそも、兵士たちは、危機に陥ってこそ、はじめて勝敗を決するような戦いができるのである。.

戦いで大切な点は、敵の意図を正しく把握することにある。一つに団結して敵に向かい、千里もの遠方で敵将を倒すのを、戦いに優れた人と言うのである。戦いを決断する日には、国境一帯の関所を封鎖し、通行許可証の発行を止めて、敵国の使者の入国を禁止し、 廟堂の上で作戦会議を開き、戦争計画に決断を下す。敵の防衛線に隙を生じたならば、迅速に侵入し、敵の大切にしている所を攻撃し、敵の状況を考慮した上で勝敗を決する。. 火攻めの実行には、事前に準備が整っていなければならない。 火を放つには、適当な時節がある。火を大きくするには、適切な日がある。 火をつけるのに良い時節とは、空気が乾燥している時期のことである。火を大きくするのに良い日というのは、月が、箕・壁・翼・軫の星座と重なる日のことである。これらは、風が吹く日である。.

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更新日: 年1月6日. 討ちたいと思う軍隊・攻めたいと思う城・殺したいと思う人物については、必ず守備する将軍・ 左右の側近・ 奏聞者・ 門衛 ・宮中を守る役人の姓名をまず知った上で、味方の間諜にそれらの人物のことを詳しく調べさせる。. 敵の間者で自国の領内でスパイをしている者がいれば、つけ入って利益を与えて誘い、自分の側に寝返らせる。こうすれば「反間」として用いることができる。 反間によって敵情がわかるから、因間や内間も使うことができるし、死間を使って偽りごとをした上で、敵方に告げさせることができる。さらに生間を計画通りに働かせることができる。五通りの間諜の情報は、君主が必ず知っているが、敵情を知るには反間の存在がある。だから、反間は手厚く遇するべきである。.

戦いで大切な点は、敵の意図を正しく把握することにある。一つに団結して敵に向かい、千里もの遠方で敵将を倒すのを、戦いに優れた人と言うのである。戦いを決断する日には、国境一帯の関所を封鎖し、通行許可証の発行を止めて、敵国の使者の入国を禁止し、 廟堂の上で作戦会議を開き、戦争計画に決断を下す。敵の防衛線に隙を生じたならば、迅速に侵入し、敵の大切にしている所を攻撃し、敵の状況を考慮した上で勝敗を決する。.