発行者: 20.11.2022
autumnaki さん の感想 フォロー. 放課後 講談社文庫.
武島剛志と直貴は二人きりの兄弟。 弟の大学進学のための金がほしくて、剛志は空き巣を思いつき、強盗殺人の罪を犯してしまう。 世間から見れば、犯人が捕まればそれで終わり。 自分に危害が及ぶことはないと確信できれば、それで事件について思い返すことはないでしょう。 けれど被害者家族(遺族)、加害者家族にとってはそれは不可能なのです。 逃げるにしろ向き合うにしろ、自分でその事実との関わり方を考えさせられます。 罪を償うのは罪を犯した者だけであるはずなのに、世間の目はそれを許さない。 途中直貴が本当に気の毒でしたが、もし自分の周りに同じような人がいたら自分はどう接するだろうと考えると、やはりあまり関わらないようにするだろうと思います。 直貴に非はなくても、きっとどこかで差別してしまうのだろうと思いました。. 同級生 講談社文庫. 放課後 講談社文庫. 流星の絆 講談社文庫. 本と出会う ランキング 新刊情報 新着レビュー ブクログ談話室 ブクログ大賞 ブクログ通信 読書のすすめ.
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taiko さん の感想 フォロー. 今後は、貴方からの郵便物は一切受け取りを拒否すること。 理由は、家族を守るため。 事件により、これまで強盗殺人犯の弟というレッテルを背負い さまざまなチャンスや幸福を諦め、不遇な目にあい これからもそれなりの人生しか待ち受けていないこと。 それは娘の将来にもかかわることです。 これらの自分たちの苦しみを知ることが、貴方が受けるべき罰なこと。 この事を知らずして、貴方の刑が終わることがない事。 今後、弟であることを捨て出所後も関わろうとはしないでもらいたいこと。. 私が彼を殺した 講談社文庫. 剛志はかつて引っ越し屋で働いていた時に行った優しい裕福な老婦人のいた緒方家を思い出した。 「少しぐらい盗まれても大した痛手でないだろう。むしろ自分のような人間だと知れば許してくれそう」 留守の家に忍び込み万入った現金を見つけた。 脱出目前に直貴の好きな天津甘栗も持って帰ろうとリビングに行くと 留守だと思った緒方婦人と鉢合わせた。.
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手紙 文春文庫 著者 : 東野圭吾. 怒りを覚えた直貴に続けて 「だから、犯罪者はそのことも覚悟しなきゃならんのだよ。 …罰を受けるのは自分だけではないということを認識しなきゃならんのだ。 君が今受けている苦難もひっくるめて、君のお兄さんが犯した罪の刑なんだ」 「殺人は、人それぞれの繋がりを無断で断ち切る事。 君のお兄さんはいわば自殺=社会的な死を選び、残された君の苦難も君のお兄さんが犯した罪」」 「(兄を憎むのは)君の自由だ。ただ我々のことを憎むのは筋違い …我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる ……すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね」.
容疑者Xの献身 文春文庫.
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剛志からの手紙は 単調な収監生活で書く事がない事 6月から手紙の返事がない事や 通学過程に変えた事が誇らしいと書いてきた。. ひと月ほど前に読んだ作品。読了後にも何冊か他のタイトルを読んだが、今も時々「手紙」に登場する兄の心情を思い返してしまう。これ程までに心の隅をチクチクと刺してくる作品に今まで出会ったことはない。 テーマは実にシンプルだ。弟への愛情から殺人を犯してしまう兄と、家族に殺人者をいるという負い目を背負って一生懸命生きる弟。獄中の兄から定期的に送られてくる手紙。刑務所での生活が語られる。兄にとっては日常であるが、非日常の世界。なんでも無いような内容の手紙だが、弟への愛情が深く込められている。これは物語が始まってから終わるまで一貫している。 そんな兄を憎むようになり恨むようになる弟。私はそんな弟の人生に同情しつつも薄情な人間だとは思えなかった。恐らく私も同じ状況になれば同様の心境になるのだと。例え肉親であろうと、自分へ向けられた深い愛情を知っていたとしても、それはだんだんと変わってしまう。結局は目の前現実が全てて、最終的に人生が狂ってしまったのは兄のせいだと思うだろう。 親族に殺人者がいること、それが生きる上でこれ程までに大きな障害になるとは思いもよらなかった。上手いきかけた仕事も音楽も恋愛も、生きる為に失わざる得ない状況、その苦しみ。自分とは無関係と思いながら読み進めていたが、本当にそうなのか?と途中何度も自問した。 愛する人が窮地に立たされた時、自分にしか出来ないことがあれば、私もそれを実行するのではないか。それが例え殺人だとしても。そして兄の心情を想像した時、自分に残された唯一の家族、弟は生きる意味そのものなのだと気づかされる。手紙、それが唯一弟と繋がることのできる手段であり、生きる意味なのだと。 最後に兄弟は再開する。兄を目の前にして、弟は、今まで忘れていたものを思い出したに違いない。私はその情景を目の前で見ているかのようにリアルに思い描いた。その兄の姿が目に飛び込んできた瞬間、何かに強烈に打たれたような衝撃が走った。それは大袈裟じゃなく。 失ってから初めてその大切さを知る。その通りだ。失っていたのは、いや、忘れていたのは、兄の自分に対する深い愛情なのだと。そう気づいた時にはもう言葉はない。歌えないのは当たり前だ。 (30代男性).
眠りの森 講談社文庫. 寮の同室になった倉田に兄の手紙を見られケンカになり、社長福本からも将来を考えるよう言われた。 倉田が大検をする事や、直貴も夢を捨てなくていい事、孤独な剛志に手紙を書くように言われた。 置いて行った参考書の中から大学通信教育の案内が出て来て、倉田の好意と感じ受けてみる事にした。.
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感想 : 件. 半落ち 講談社文庫. 白石由実子 ・・・直貴の同僚。なにかと直貴にアプローチしてきて心配し世話を焼きたがる。実は暗い過去があり直貴を自分と重ねている。 ———————————————————— 中条朝美・・・直貴の恋人で裕福な家庭育ちの女子大生。剛志の事件の為、交際を反対される。.